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新生児低酸素性虚血性脳症

生まれたばかりの赤ちゃんは免疫力が弱く、体のつくりも未熟なため、様々な病気にかかりやすいです。
また、生まれるまでの過程においても病気を発症することがあります。
ここでは、赤ちゃんに起きる、重症化すると危険な症状や、脳性まひにつながる可能性のある病気を中心に紹介します。

新生児低酸素性虚血性脳症

どんな病気?

新生児低酸素性虚血性脳症は、重度の新生児仮死に続けて起こり、脳に酸素、血液が不足することで脳への障害を引き起こす疾患です。
脳性麻痺や重篤な後遺症が残ることが多く、赤ちゃんが亡くなることもあります。

なぜ起きるの?

生まれてくる時に、重度の胎児仮死や新生児仮死の状態にあり、その後も血液の循環がうまくいかず、血液中の酸素量が低下することで起こります。
低酸素性とは、血液が十分な酸素を含んでいないこと、虚血性とは、血液自体が十分に行かなくなることをいいます。

どんな治療を
するの?

低体温療法が行われます。この治療法を受けるためには適応条件があり、「妊娠36週以上、出生体重1800g以上の中等症および重症の新生児低酸素性虚血性脳症」という基準に当てはまる場合にのみ実施されることが推奨されています。(ILCOR:国際蘇生連絡員会からガイドラインが示されています。)


低体温療法とは、体温を下げることによって、脳を保護する作用を期待する治療法です。
低体温療法にはNICUでの厳格な監視体制が必要となります。
生後6時間以内に目標深部温度を34℃として治療を開始し、72時間冷却を行います。終了後は徐々に体温を37℃まで復温します。
現在のところ効果が実証されている唯一の治療法ですが、その効果は絶対的ではなく治療を行っても約50%に重篤な後遺症が残るといわれています。

期待される
新しい治療法

自己臍帯血幹細胞治療の研究が進んでいます。
臍帯血に含まれる幹細胞が脳の再生医療に有効であり、臍帯血は赤ちゃんのものなので、投与した時の免疫拒絶反応がないのがメリットとされています。
今後、新生児低酸素性虚血性脳症や脳性まひなどの治療法として確立されることが期待されています。

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