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【医師・弁護士監修】産婦人科は医療ミスが多い?

2023.02.13

富永愛法律事務所 医師・弁護士 富永 愛 です。
司法試験に合格し、弁護士事務所での経験を積んだ後、国立大医学部を卒業し医師免許を取得
外科医としての勤務を経て、医療過誤専門の法律事務所を立ち上げました。
実際に産婦人科の医療現場を経験した医師として、法律と医学の両方の視点から産科を中心とした医療問題について発信します。


なぜミスが多いと言われるのか?

産婦人科は医療ミスが多いと言われています。それはなぜかわかるでしょうか。

病気の人に病気の治療をするのが医療です。
しかし産婦人科の“出産”は病気ではないと言われています。

お産をする妊婦さんや、ご家族にとって、お産は正常に分娩が行われ、異常のないお子さんが生まれるのが当然と考えられています。そのお産に対する期待が裏切られた時、産婦人科の出産に関する医療ミスではないかとまず誰もが思うのです。正常であることが当たり前になったために、異常であることにすぐ患者さんたちが気づく、それが産婦人科の医療ミスの特徴と言うことになります。

このように、産婦人科は異常に気づきやすいことから医療ミスが多いと言われるのです。

 一方で産婦人科以外の診療科では、実はどんなにひどいミスがあったとしても、ミスであることに気づかない場合がたくさんあります。
治療をして治らなくてもそれで仕方がない、もともと治療には限界があるから、あるいはこれは病気のせいだと患者さんや家族が思ってしまう背景に、実は、たくさんのミスが隠されているのです。

医療ミスだと発見されるには、まず患者さんご本人やご家族がこれはミスに違いないと気づくことがスタートです。

産婦人科以外の医療ミスのご相談

出産はお母さんと赤ちゃんにとって危険な環境変化

産婦人科は正常であることが当たり前になったために、異常であることにすぐ患者さんたちが気づき医療ミスを疑うことができると特徴をお話ししましたが、実は出産はお母さんと赤ちゃんにとって劇的な環境変化が起こる極めて危険な事柄です。

赤ちゃんがお母さんのお腹から外の世界に出るときの急激な変化を考えれば、様々な出来事が起こる可能性があるのは当然です。産婦人科のドクターとお話をすると、その様々な出来事を前もって予測し、万が一のことを考えて慎重に対応するドクターが理想的な産婦人科医だそうです。危険な出来事が起こる可能性があるが故に、その危険を頭に置いて対応することが常に必要なのです。

処置の基準となるガイドラインがあります

これまで産科医療LABOはたくさんの産婦人科の医療ミスの法律相談を受けてきました。医療事故が起こったケースで目につくのは、「いつもは大丈夫。だから今回も大丈夫だろう。」というドクターの安直な考えです。日本中のほとんどの産婦人科医たちは、出産にはリスクがあり、万が一の時に備えて常にいろいろなことを念頭に置く必要があることをわかっているからこそ、処置の基準となる「産婦人科診療ガイドライン」が作られています。

産婦人科診察ガイドライン最新版を解説

そうしたガイドラインの心配をよそに、今回も大丈夫だろうと考えてしまうようなドクターが、今まで危険な経験がなかったから…と安心してしまっているケースが医療ミスにつながるのです。一方で、産婦人科の医療ミスかなと思った時、すべてのケースが産婦人科医の責任を追及できるとは限りません。産婦人科には日本中の誠実な産婦人科医たちの努力によって蓄積されたガイドラインがあります。そのガイドラインに沿った対応したのかどうかを判断することで、医療過誤と言えるかどうかわかるのです。

産科トラブルに精通した弁護士を見つける方法

産婦人科の医療ミスかどうかを判断するためには、「産婦人科診療ガイドライン」を熟知する必要があります。相談をするなら産婦人科診療ガイドラインの知識が豊富な弁護士を選ぶべきです。産婦人科診療ガイドラインを知っていれば、医療事故の調査には費用や時間はそれほどかかりません。多大な費用や時間が必要だと弁護士さんに説明されたら、まず産婦人科診療ガイドラインの知識があるかどうか聞いてみると良いと思います。

産婦人科診療ガイドラインの存在すらご存じない弁護士さんには、産婦人科の医療ミスのご経験はないと考えてよいと思います。

この記事を書いた人(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。

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