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過強陣痛

切迫早産などを含めると、妊娠・出産による合併症は全妊産婦の50%以上に発生すると言われています。
それだけ多くのトラブルが起こりやすい、妊娠・出産。
ここでは重篤化すると危険なお母さんに起こるトラブルを紹介します。

過強陣痛

どんな病気?

過強陣痛とはお産の途中で急に子宮の収縮が強くなりすぎることをいいます。陣痛の開始は「子宮の収縮による規則的な腹痛が10分以内の間隔で繰り返し起こること」と定義されています。つまり、だんだんお腹の張りが強くなり、お腹が張る間隔が短くなり、10分ごとになったところで陣痛が来た、ということになります。


通常は、子宮の収縮は定期的になり、だんだん強く長くなり治まっている間隔が短くなっていきます。このように分娩が進行することで子宮口が上から押されて徐々に開きます。陣痛の間隔もだんだんと短くなり、痛みも徐々に増大していき、分娩直前では陣痛が2,3分おきに来るようになります。一般的にはこのような経過が、正常な陣痛です。しかし、急激な子宮の収縮や、長く続きすぎたり、間隔が短くなりすぎたりすると「過強陣痛」の状態になり、これが続くと産道の中で頭を圧迫された赤ちゃんが酸素不足となり、仮死状態になることがあります。また、ごくまれに強く収縮しすぎて子宮破裂を起こすこともあります。

なぜ起きるの?

原因としては軟産道強靭、巨大児、回旋異常が挙げられています。また陣痛が弱いために投与される薬「子宮収縮促進薬(陣痛促進剤)」(アトニン🄬など)が投与されたときにも起こることがあります。子宮収縮促進剤(陣痛促進剤)は、名前の通り、人工的に子宮の収縮を起こすための薬です。この薬の投与の方法や投与量が適切でない場合にも、過強陣痛が起こります。通常、陣痛促進剤は何らかの理由で弱まってしまった陣痛を強くしたり、自然に陣痛が来ない状態から陣痛を人工的に促進したりする際に用いられます。陣痛の程度や、おなかの赤ちゃんの状態を見ながら投与する必要があり、その都度投与量を減らしたり、中止する必要があります。


過強陣痛には、陣痛周期の短縮(頻繁に陣痛が訪れる)や持続時間の延長(陣痛のピーク時間が長くなる)、子宮内部の圧力が上昇することなどが関係します。子宮の過度な収縮が続くことで、通常よりも陣痛による痛みが強くなり、気分不快による嘔吐が起こったり、子宮の筋肉が疲労のために、収縮する力が落ちてしまうことによって微弱陣痛になってしまうこともあります。一方で赤ちゃんは過度の子宮収縮による圧力で酸素不足となり、胎児機能不全の状態になる可能性があります。赤ちゃんが酸素不足で早く取り出さなければいけない場合は、緊急帝王切開になります。

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